【詩】何色でも良い

「確信的な何かが欲しいの」

いじらしく言ってみた
クネクネして言ってみた
一番可愛らしくなりたかった

誰が見ているのか大体分かるけど、
それが全て私の思い違いで、届いていると思っていたものが届いていなかったみたいな、私の味方だと思っていた人が私の事をなんとも思っていなかったみたいな
怖い

バケツでお水を汲み取れるように、
貴方の想いも物理的に組み取れればいいのになんて

目に見えないから怖いんでしょう
感情には色はあるけど触れられないから

貴方の憎悪に触れた時の感触でさえ、
初めて虹を見たあの時を思い出すと思うの

幼稚園児の頃から、興味の無いティラノサウルスの勉強をさせられていた私は劣等生で
急に優秀だと褒められても自分の心臓が良い意味でも悪い意味でも動き始める

知らない事への興味とか、不安とか、そんなもんは
小さい頃にテレビで見た鍾乳洞への探検で卒業したはずなのに

夢は沢山あるよ
沢山あるけど
どれも叶いそうで怖いの

どうにか生きていけそうで怖いの
蟻を意図的に潰していた幼少期みたいに
誰かの何かを潰していると思うの

初めてこれは食べられるのかどうか、
今は当たり前の果実を口にした誰かさんとやらは
もっと称えられていいはずだと思う

そんな感覚なの
目の前に幸福が実っていても、
それをもぎれたとしても、いざ自分が口にするとなると果てしなく怖い

沢山の宇宙を見せてくれた貴方は、
幸せの味を多分まだ知り尽くせてはいないんでしょう

貴方の血の色は赤なのでしょうか
青色が出てきたって構わないよ