【詩】沐浴

切なさがグッと来る夜
だけどなんだか心地良い切なさで、
パチパチ口の中で弾けるキャンディみたい

四六時中ずっとずっと口の中でパチパチしてたら、
こいつ口の中 花火職人だなって思われそうで嫌だけど
不可思議な夜なら、それもまた心地良い

始発の電車の中で読む、夕刊の新聞くらいあべこべじゃなければいい
美味しかったら、良い

夢の中で食べるにゅうめんぐらい
心地のいいあたたかさがあれば、尚良い

そんな夜に浸っていても良いかもななんて、
昔の自分に手紙を出したらびっくりするだろうね

リーゼントしてたかもしれない中坊の頃の私は
チューインガムを膨らませながら英語のリスニングを聴いていた頃の私は
今のNintendo Switchを触ると
きっと、心から希望と口から心臓が弾け飛ぶね

グラデーションの青色とピンク色みたいな空
焼きとうもろこしに付いた焦げた醤油みたいな瞳

寂しいを乗り越えた2人は、
きっと満月さえかじってしまえそう

小さな幸福が金平糖みたいに転がって、
朝焼けの気持ちを、森林よりも豊かにしてくれそう

夜が深けていく今の気持ちと、
寝ている早朝の私と、揺れている隣の木の葉

その木の葉は誰かの頭の上に落ちるかもしんないし、落ちないかもしんない

葉っぱの人生と、いっぱいある部屋
貴方の微笑みと、胃の中で揺れるスープご飯